あずきの恋人 (連載?)/たま
と、せっかく描いた大切な絵を失くさないし、よごれたり痛んだりもしないし、それに、絵本だったらそのまま本になりますからね。」
あ、そっかぁ……。
「では、あずきさん。一枚目をみせてください。」
わたしはスケッチ・ブックの硬い紙でできた表紙をめくった。
一枚目はほとんど白紙の状態で、画面の中央にひだりから、イチロー、わたし、おかあさん、おばあちゃんの絵が、親指ぐらいのおおきさで一列に並んでいた。
「これは絵本の表紙ですね。」
「はい。」
「うん、なかなかシンプルでいいと思います。水平に並んだ絵はみな、おなじおおきさをしていますね。このイメージは、すごくおとなだと思います。あずきさん
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