あずきの恋人 (連載?)/たま
 
れしそうな顔をして、しばらく、わたしの絵をみつめていた。
「とてもていねいな絵ですね。えんぴつの線がやさしくて、水彩のいろも淡くしずんで……、うん、ぼくはこんな詩的な絵が大好きですよ。」
 わっ、なんだろう。こんなにうれしいのって、久しぶりじゃん。でも……、
「先生、シテキって、なんですか?」
「あ、ごめん。ちょっと、むずかしかったかな。えーとね……。」
 外山先生はホワイトボードに、詩的……と、書いてそのよこに、ポエム……と、書いた。
「詩的というのは、あずきさんのこの絵のなかに詩があるということです。でも、それはぼくの感情にすぎません。この絵のどこに詩があるのかと問われても、ぼくは
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