あずきの恋人 (連載?)/たま
 
の一族は魔法が使えるんだよ。それでね、国民の悩みはみーんな解決しちゃうのよ。ね……、おもしろいでしょ?」
 鈴木さんの絵は大王さまの笑った顔がさいごだった。

「うーん、おもしろい物語ですねぇ。」
 外山先生はまじめな顔をして言ったけれど、わたしはちっともおもしろくなかった。いまどき、そんな物語をおもしろがるこどもなんているのかなって、思った。
「じゃあ、鈴木さんは魔法使いなんですね。」
「……、そうだよ。」
 わたしはうつむいておかあさんと目線を合わした。おかあさんはちょっと困ったみたいな顔をして口に手をあてると、ぐふん、って、咳払いしたの。
「では、鈴木さん。この物語はまだまだ
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