誰かの足跡 /
服部 剛
太陽
月
仏陀
神
(それらを含んだ風のしらべよ)
わたしが昇ればあなたは昇り
わたしが降りればあなたは降りる
わたしが歩めばあなたは歩み
わたしが止まればあなたは同時に、静止する。
(今も空気中からこちらを視ている
あなたの透きとおった、眼球よ )
誰ひとりいない冬の浜辺で
膝を落とし、砂を涙で濡らした
あの日
ふりかえった背後に
私が歩けなかったはずの場所に、刻まれ
こちらまで続いている・・・・・ふしぎな足跡
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