あずきの恋人 (連載?)/たま
」
う、やばい。そんなのわたしにはむり……。
「と、言ってもそんなに、やばい話しではありません。たとえば、この絵本はチーズケーキのつくり方を学ぶための絵本とか、算数の九九をおぼえるための絵本とか、ときとして、ひとと、猫の愛し方を学ぶ絵本であってもいいのです。」
やっぱし、やばいじゃん……。
「えー、では、あまり時間もありませんので、まず、みなさんの絵をみせてもらって、ぼくから質問しますから、正直に答えてください。あ、絵はまだ未完成でもかまいませんから、みなさんもわからないことは、遠慮せずにぼくに質問してください。すこしでも、みなさんの絵本が前に進むようにお手伝いしたいと思います。はい、よろしいですか?」
「はい。」
鈴木さんが小学生みたいにへんじした。
「あ、では、鈴木さんの絵からみせてもらいましょうか。あずきさんもいっしょにみててくださいね。」
おかあさんがわたしの背中を指でつついた。へんじをしなかったからだ。
「あ、はい……。」
つづく
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