こぶし/十二支蝶
足を軸にして回れば、みたことのある夜が必ずくる
ついさっきのように俯けば 目の前に電灯が飛び込んでくる
歩いた先がどれだけ先でも 走った先がどれだけ流れても
晴れる日が いつも夜が打ち消していく
何もしないまま 暗いまま消えていく
なくなっていく、散っていく
積もっていく
大切な人の あの人の顔を窺いながら
何もしないまま だらだら
そのまま消えていく なくなっていく 散っていく
わかってる
足を軸にして回れば、踏ん張った土は捥げていく
みたことのある暗闇が必ず飛び込んでくる
俺は英雄 誰の指図も聞こえない
足を軸にして回れば、誰にでもなれる
どろどろに溶けた瞳で 大切な人に嘘を吐く
今日も明日も必ず燃えたぎる
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