目をひらく /
服部 剛
息を吸っては吐いて
(呼吸)になる
大きい器にふたをして
(鍋)になる
たまたま出逢った男と女が道に並んで
(夫婦)になる
ぱち、と上下のまぶたを閉じた
瞬間
(ほんとうの目)は開かれる
(燃エ盛ル我ガいのちノ、脈ハ鳴ル――)
自分と(嫌な人)を分けていた
自分と(日々の仕事)を分けていた
あの壁がふー・・・と消える
ひとつの世界
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