あかね色の畑 /
服部 剛
ふいに足を止めた、夕暮れの帰り道。
畑の道の傍らに、夕陽のあかねに染まる
とうもろこしの草々は、きれいに整列して
緑の背筋をまっすぐ伸ばし
両腕の葉をひろげながら
顔を揃えてにこやかに、天をみていた
(僕の鞄には「死者の書」が入っている)
夕暮れのひそやかな風の吹く頃、かれらは
とうもろこしの畑でふいに、姿をあらわす。
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