【 木枯らし 】/泡沫恋歌
木枯らし( 男の子の言い分 )
いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる
触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケットの中で コブシになった
木枯らし冷たいよ
君の肩を抱けたら
ふたりで温まれるのに
不機嫌なキミは
足元でカサカサ舞う 枯葉を
じっと見詰めたままで
一度として 目線を合わせない
木枯らし冷たいよ
君が泣いてくれたらいいのに
そしたら僕が謝れるんだ
君の頑な態度が 僕を苛立たせる
きっと僕がメールを送って
君が無視して
それを僕が怒って
ふ
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