【 木枯らし 】/泡沫恋歌
 
  木枯らし( 男の子の言い分 )

いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる

触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケットの中で コブシになった

木枯らし冷たいよ
君の肩を抱けたら
ふたりで温まれるのに

不機嫌なキミは
足元でカサカサ舞う 枯葉を
じっと見詰めたままで
一度として 目線を合わせない

木枯らし冷たいよ
君が泣いてくれたらいいのに
そしたら僕が謝れるんだ

君の頑な態度が 僕を苛立たせる

きっと僕がメールを送って 
君が無視して
それを僕が怒って 

[次のページ]
戻る   Point(9)