まきびしと布テープ/カマキリ
今日も飛び交う正論の中
まくらを盾に這って出る
ぎざぎざのネイルを施したおまえの搦手に
理論武装した猿がいく
信号の先の看板を見落としたのは
天使について考えていたわけではない
おまえたちの極論は
決して誰かを幸せにすることもなく
石の下で静かに伸びていくだけ
黄色のゴミ袋と血の入ったズタ袋の区別がつかないわけではない
帰りがけ、この部屋の電気を切るように
自分の革命を終われせてくれればそれでよかった
特定のものが怖いわけじゃない
スクリーンにはモブシーン
手を叩いて笑っている空洞が
隠しきれずにいる人が
少し尖って見えるだけ
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