She/アルビノ
ぼくはシィの心の中に巣くう救世主の皮を被った悪魔。病巣、癌だ。
6年前、シィは死にたかった。初めて出来た友人にあっさりと180°位置を変えられ、嘲笑の渦に落ちた。まだ幼く未熟であったシィは人を憎むことが出来なかった。自分の敵になった人間を切り捨てることが出来ずしがみついた。浅はかだったんだ。シィは毎日泣き続け、涙も出なくなった。だけど日々のサイクルを変えられずに、拘束衣のような制服を着て学校へ向かう。喜びから離れていくように。
シィがぼくを生んだのはその年の冬。それからはシィは家では眠るようになった。家にいるときはぼくがシィの体を動かした。乖離性同一障害・・・二重
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)