帰去来器/
そらの珊瑚
明けきらぬ朝
まだ薄暗い空に
ブーメランのような白い月が落ちている
あれは誰が投げたのであろうか
キミに投げた言葉は
めぐりめぐって
自分に帰ってくる
受け止めて ボクは自分という存在を初めて知る
何万ものゆるやかな弧が浮かぶ宇宙で
いくつものブーメランが旅をする
彼方へ去っていったあとで
遠い記憶が帰りたがっている
いつか
持ち主のところへ戻っておいき
今はまだ迷子でも
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