石・草・虫など、その概念と考察/山人
 
んだとき、頭の切っ先に一つの光りのようなものが浮かび上がり、その瞬間、店主は教祖となり、あなたは信者となる。


十三、工場
その片隅に名もない薄い繊維のような体躯を持つ蜘蛛が生活している。
工員たちの声と構内拡声器の音が氾濫し、その音から染み出した口臭のようなものを巣に詰め込み、時折工員たちを眺めに巣から出てくる。
工員の吐息とその蜘蛛たちの徘徊する空間の暗さと寒さが工場である。






・・あとがき・・
物事に真実があるとすれば、それは自らの考えに他ならない。その人が思い込む事柄がその人にとっての真実であり、有益なのではないか。
考えはひとしきりそこに停滞するが、いずれ変わり、飛翔してゆく。考えられない考え方も存在し、何も考えず前に進むことも多々あり、大切な何かを忘れてしまっている場合もあろう。
 現実は一つ、しかし、想像し思う心は多く存在する。
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