趣味について、または詩について/まーつん
 
の゛努力゛によって上下される。暴力は怒りという感情によって喚起され、だから安易で未熟なものだとされる。そして怒りは、誰かに教わったり、学び取ったりして手に入れるものではなく、本来そこにある、感情という存在の一形態だ。だが、言葉は学習によってしか得られない。少なくとも一般的にはそうだとされている。要するに感情より言葉の方が、手に入れるのにより多くの努力を要される。親や、学校の教育。語彙、文法、発声。感情と違って、言葉はタダでは得られないのだ。

 だが、対価を求めない存在に価値がないのか、というと、それも違うはずだ。感情には価値がある。人間にとって感情とは、その存在の根幹をなす要素だ。感情を軽視
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