趣味について、または詩について/まーつん
(そこのあなた、笑わないように)。考えてみれば、僕にとって数少ない、創造的な趣味だ。音楽鑑賞も映画も、あるいは読書も、与えられた情報を吸収していくだけだが、詩作は逆に、自分の内側から何かを取り出していく、見つけ出す作業な訳で、なんだか誇らしいような気分にさせてくれる。思うがままに書き上げた時の満足感は、よく出来た映画に我を忘れた後に感じるそれとは、まるで違う。どちらも素晴らしい感覚だけど、中身が違う気がする。
それはなんだろう、レストランにおける、料理人と客の違いの様なものか。思った通りの味を表現する喜びと、美味いメシを平らげる喜びと。満たされるのが、プライドか胃袋かの違い、ということだろ
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