希望をうたう道化/高原漣
 
順調に死にむかって船出する男たちが

道端の赤い花に最敬礼

彼らを見送るのは

むくんだ顔をまっ白く塗って

泣きながら笑っている道化

まっ白い顔に黒い星と涙の模様をえがいて

雨のなかに立ちすくんでいる

花に嵐のたとえもあるさ、と希望をうたう道化

彼のまっ白い厚化粧が洗い流されて

いつしか哀しみは凍った音楽になる

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