かさぶた/涙(ルイ)
 

あんな人間の血がこの躰の隅のすみまで走っているなんて
いずれ間違いなく つま先から腐敗していくに違いありません
そんなどうしようもないクズの血が流れている私だから
きっとみんな その匂いを嗅ぎ分けて
誰も寄り付こうとしないのではないか
そんな考えなくていいことまで考えてしまうから
ホントまったくもってやれやれといった感じです


毎日毎晩 夢とも現実ともつかない
とても居心地の悪い夢ばかり見るのです
私を苦しめるあいつらが
平気で人の生活に踏み込んではめちゃくちゃにしていく
いいようのない怒りが込み上げて 
息をするのも苦しくなって
大声で叫んで 叫んだ声に驚い
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