まなざしにも自由の刑の宣告 (幻肢の砦たち)/乾 加津也
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とりどりのあかるさに
感染して
まどをとおって
ひと(ら)は
路のながれに申し合わせるの
そして どれだけを投企するの
ひと/とき
なめらかな用具をつかむような
てのひと
(不燃性の)
まどに
まどびと アンガージュマン
+ + +
闇におされて
まどびとは立ちどまる
権利さえ なにひとつ持ちこめない
あちら
から
(鹿の毛の震える 森の
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