『赤い快楽』/あおい満月
 
い太陽の花火の下で
溶岩になって流れ出ているのだ
ひとつの破壊から
夥しい快楽が生まれる
わたしは指で掬って
だれの耳にも
予知しないことばを書き出す

生まれる前の記憶をしってる?

母親がわたしに訊ねる
わたしは記憶を手繰り寄せながら
赤い海のなかにいたよ、
と話す

赤い快楽の海のなかを
流れながらここに来たのだ
今でさえ
快楽の赤い太陽の夜は続いている

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