FinAgains/月乃助
 
Agains 

今年はじめての 雪でした
足の下に さくさく 
冬の音がする

雪のつめたさに
舌打ちしたり
みなが冬をきらうから
少しばかり 冬は意固地になっていたりするのです

やさしさのぬくもりに
溶けてしまうと こわがったり
自分をうしないそうで、

路傍にのこされた 失恋の印し
親からはなれた 迷いの小鹿
困惑の目をむけた
人恋しいのは いきものの
それだからおまえは、里をさまようのですか

さしだす手に
逃げる背を追い 冬の 杉の
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