『すがたみ』/あおい満月
 
わたしには、
嫌いなものがある
それは自動ドアに映るわたしの姿だ
内股歩きの巨体が
いくら進んでも前に行かない
こんなような
梅雨の蒸し暑い空気のなかでは

半袖のわたしの腕や足には
いくつもの赤い目玉が犇めいている
わたしはいつも見られている
わたしはわたし中に見られているのだ

赤い目玉の声がうるさい
お前は異質だ
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