ひとの匂い /服部 剛
 
異国のひとの後ろに並んだ。 
ぷうんと異国の匂いがした。 

異国のひとはその前の背中から 
日本人の淡い匂いを嗅いだ。  

他人の匂いは良く嗅ぐが 
自分の体臭は知らないもの 

鏡の世界は右と左が反対で 
ほんとうの自分の姿は 
一生見えないように 







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