水鏡/
そらの珊瑚
みずたまりに映ったあなたの顔を風がゆらす
泣いているようにみえた
笑っていたのに
時のひずみに落ちた時 泣きたくなるのはなぜだろう
水は知らぬまに何処へか蒸発していく
最後に残った泥のようなものが
冬の陽射しに温められてゆく
笑っていたんだよね、あの日わたしも
あなたはわたし
今も鏡の中で生きている
あの日捨てたもうひとりのわたし
こっちの世界で生きているよと文でも書こうか
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