雪氷積りて 草花艶やかに/黒ヱ
鮮やかに降り積もる 霰は霞み 日より煌めく
知らぬ記憶にあり それでも待ち続けるもの 春風
あまりにも温かく 色鮮やかで
「妬ましき」
寒さに拱いて 氷に委ねる 身は剥離する
その景色より思う 先を見据えては
「昇るものよ! また 沈むものよ!」
「待てど! これが現実だ!」
そう思いて 凍て眠る
望まれるままに 生 植付けられ
芽吹き 誘われる 紫苑の輪廻
廻す過敏な歌を吹きて 雪煙り
深く鋭く 凍てつかせ
「冷たく 固く 凍るがいい!」
「ああ! あなたよ! 光をくれ!」
幾度と浮上する 彷徨う思念
沁みいる 冷たさに靡く(なび
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