南房総ポエトリカル・アンソロジー  その2/あおば
 
れる風情が漂っていて、シェクスピアの生家の復元家屋内の蝋人形も当時の生活を垣間見させてくれ、明るい現代の照明が用いられていて部屋の隅々まで観察できた。当時の照明は樹脂蝋燭だと思うので、その暗さは想像するしかないが、蝋人形が住む太い柱の頑丈な造りの部屋の中の調度や寝台、寝具などを眺めると当時の日本と比べると建物の観念がかなり違うようだ。
 外には17世紀初めの風車を復元したものが偉容を放つ。水車に比べると遙かに回転のコントロールに気を遣う風車を使いこなしていた西欧の技術に驚いてしまう。この時代の人たちはノコギリを使うことを恐れないのかと思うばかりの太い角材が西洋人の腕力を誇示するようで、圧倒され
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