無題 /
服部 剛
(ほんとう)を見なければ
この口から血反吐(ちへど)ははき出され
この体は透きとおった屍になるだろう
(ほんとう)が靄の向こうに
段々と姿を現す時
この足は自ずと前へ、踏み出すだろう
遥かな場所にある、あの駅へ
数珠のようにつらなってゆく
黒い足跡
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