南房総ポエトリカル・アンソロジー  その1/あおば
 
りまで来たが、車窓から垣間見える住宅の群れにまだ東京圏内に居るのを悟る。次の大網あたりからは住宅は減り広々とした田園が繋がりだす。上総一ノ宮で下車し同じプラットホームの反対側に来た安房鴨川行きに乗り換える。電車は古いおなじみのスカ色塗装近郊型113系に変わり座席は柔らかいクロスシート、旧式の台車の枕バネはエアサスペンションではないが、横揺れも少なく乗り心地はE217系より好ましい。新幹線電車の先駆けとも言える、戦後まもなく衝撃的に登場した80系湘南電車を軽量高性能化した、1958年登場のやや平凡な91型(153系)でおなじみとなった面構えの元気な113系のおでこ顔もそろそろ見納めかと思うと来るべき
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