宙に舞う小雪のように。/元親 ミッド
 
冷たい外気に晒されて 
あまりのその寒さに 
この季節だけは、衿を立てて歩く。 
灰色の街は2倍速の早送り。 
慌ただしい月末で、 
街で見かける誰もが 
ただ押し黙って、 
忙しそうに早歩きをしているのだった。 
思うところあれば 
僕にはいつも空を見上げる癖があった。 
冬の空は、雲の多い空。 
その隙間には所々青空が見え隠れしていたけれど 
冷たい雲が、空にびっしりと張りついた 
霜のように見えるのだった。 
その凍りついた 
冷たい鉄板の
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