ディメンション/由比良 倖
感情は、体外に増設可能。なぜ、あなたは飛ぶ記憶を持っているのかな? なぜ私は深海の花の記憶なんて持っているのだろう。体重が六五キロでも四五キロでも私は私で、だとしたら私はどこまで小さくなれるのだろう。また、小さくなった私が、縮尺に関係なく空に弾ぜるなら、私は消えてしまっても、いい。思念は、どこかで形を持ち、高圧電流の中で、私はきっと快感に打ち震えている。私はそれを感じる。
うまくは言えないけれど、僕はときどき、輪郭の外にいるんじゃないかと思うんだ。世界観は植え付けられたもの。ありうべき形、それは必ず孤独を伴う、思い出すときの、触感、私はそれに触れられない。記憶の種と、それを巡る物語があるなら
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