夢のつづき /服部 剛
 
れた気がしたあの頃 
街灯の明かりが、囁いてくれたあの頃 

あれから19年の時は流れ
憧れのあなたの年齢(とし)を追い越して
少しばかり大人になった僕は 
夢の実りとして 
自分の書いた本を、家のポストに入れた 

ささやかな贈りものが 
ポストの中で光を帯びて 
まぼろしの青年の手が受け取る 
場面を夢見て、両手を重ねる 

さわさわさわ・・・ 

夜の静寂(しじま)にひろがってゆく 
優しい風の歌声を 
背後に聴きながら 
僕はふたたび日常への道を歩いていった 



  *尾崎豊の歌「シェリー」の歌詞より 







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