『共喰い』/あおい満月
 
買い物袋を持つ
袖口から覗く彼女の腕には
野犬に噛まれたような夥しい赤い痕がある
ぼくの腕にも、
同じような痕が犇めいている

彼女は買い物袋から
赤い牛ばら肉を取り出して
今晩のメニューを考える

ぼくはいつも肉ははね除ける
死んだ肉は食べたくない
生きた血肉が欲しいのだ

彼女の血潮
彼女の
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