冬鳥/そらの珊瑚
 
雨上がりの朝 音楽会は終わり あたりは拍手のように光っていた

──終演

濡れた落ち葉は閉じられた楽譜 土に還る日を待つのだろう

    ──静謐

鳥は何の疑問もなく冬へと向かう あの向かい風に浮力を産ませ

        ──軌跡

人もまた冬へ向かう その先に春があることを知っているから

             ──循環

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