11月の海流は。/元親 ミッド
寒さのあまり目が覚めて
気がつけば、職場で椅子に座ったままで
くしゃみが鼻先で誘爆すると
まるで冷たい水中にいるのではないかと思うほど寒かった。
いつの間にか、窓は真っ黒に塗りつぶされて
その向こうには、早くもクリスマスの電飾が輝いていた。
かばんを持って、あわててビルを出る。
同僚たちは、今夜も陽気にビアジョッキをかかげで
楽しく牽制し合っていることだろう。
携帯に残された果たし状には
居酒屋にて待つ、一人でこい、と書かれていた。
クリスマスを待ちどおしい子供のように
街は、うかれモードにシフトしていて
そのき
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