ゆっくりと/
佐藤伊織
思想がない
煙草を吸うことも
通りを歩くと
そこが表の道だったか
裏通りだったか
もうまっくらで
風の音ももちろん
タイヤを削る
だけで
空中を
あるいていたら
仏様にあった
僕は
吸っていた
はずの煙草が
ないことに
きづいた
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