我が敵に寄する讃歌/黒髪
 
込むような包容力が物語には託されるから、
法律に則っている限り、大きな間違いはない。
敵。とは、物語の上での必然的な悪役である。

物語は飽きられる。完成された物語は離脱を促す。そして、大人の時が始まる。なにものにも目的づけられていない
新たな時間が。完成された精神は過去にこだわらない。そして、かつての敵はいなくなる。
法律は機械となり、人間のために隷属する神が生まれる。なぜ神が新しくなるのか。それは、現実さえひとつの物語であり、神がそれに現実化を施してきたからである。人間の新しい神は、理念に基づくのでもなく、命を守るためのものでもない。自分の分身として使役される役割を持ったものだ。それを大文字の神として共通理念とするのだ。
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