絡まったあやとり。/元親 ミッド
色とりどりの家屋の間から
寒そうに青褪めた電柱が
天に向かって一斉に
我も我もと、腕を伸ばしている。
十一月の風は冷たかろうな。
そうして彼らは、その短い指で不器用にも懸命に
このところずっとあやとりにご執心。
しかしながら黒いあやとりの紐は、
煩わしくも複雑に、からまってしまっていて
あちらこちらで、こぶになってしまっていて
どうにもこうにもいかなくなって
とうとう、攣ってしまって
肘も曲がらなくなってしまった。
その様が、ちょいと可笑しくて
月が白い顔して笑ってやがる。
とある秋の午前十時。
猫が側溝の際で、あくびをしている。
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