『投影』/あおい満月
 
るぐると巻かれている
口には赤い煉瓦をぶち込まれ
呼吸が出来ない
わたしはわたしに
腹部を包丁で刺され
山中の土のなかに埋められる



もうすぐ死ぬのに
意識だけがはっきりしている
僅かに覗く陽の光に
書き残した言葉たちが蘇る

しだけが、
書けなかった
わたしは今、
その詩のなかにいる
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