【 擬態 ? mimicry ? 】/泡沫恋歌
玄関の前で鍵を開けようと
ポケットを探っていたら
いきなり足元の落ち葉が舞い上がった
予測していなかったので
わたしはすごく驚いた!
よく見ると
それは一羽の蛾だった
木の葉によく似た蛾
飛んだから蛾であると分かったものの
あの蛾が木に止まっていたら
見抜けなかっただろう
枯れ草の中に紛れていたら
絶対に分からない
それは見事な擬態であった
― mimicry ―
『擬態』という不思議なの生態
進化の過程で生まれた能力だろうが
なぜあれほどまでに
違うものに成りすまそうとするのか
それが生きる術だったんだろうか
人はどうだろう?
やはり
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