渦中にて/民次郎
嵐が来ると知らずの夜
一目惚れの自惚れは
オドオドとコインランドリーに居た
蒲団が回っている
客はいない 入口に天糸瓜が植えてある
白々しい小屋 一時待つのもよいし他所へ行くのもよかろう
よかよかよかばい 自信とは父性の呼吸
注意書きには洗い方と禁止事項
近くに海があることは知っている
車で行くことにした
車道には猫の赤子がいた なんだか わからない
漆黒に目印を探す 波と街灯がある
ドカンドカンと桟橋に中る波
車中にネッタイシマカの亡霊が入る どうしようか 叫ぶ
叫び方は知っていた 忘れていました
生来困るといつも助けられる
教えて街灯 お願い波
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