『赤い督促状』/
あおい満月
経血は濁流になって
わたしの下から流れ出る
ぐっしょりと濡れたナプキンは
チーズのような異臭を放つ
わたしも同じような黒い活字体で
「ご担当者様
これで如何でしょうか。
わたしにはお金はありません」と打って
宅急便で送りつけた
非課税のわたしには
税制課の赤い封筒が重い
「親展」の白い文字が
わたしの息をしめつける
非正規のわたしには、
血を流すにも力がいる
凶器を手に入れる
力がいるのだ
二〇一二年七月
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