栗の実/
あろん
寄りそう栗の実は
獣の皮を着る生きものが身を隠しているようで
汚れた茶色が
人の暮らしを揶揄したようで
眺める
いつもどのようにすごしていますかの問いかけ言葉が
曇り空に今朝の記憶として
木の葉から吹いてくる小さなカケラにつつかれ
額を髪をふりはらう
やさしすぎるとかそうやってとか
計算式のような顔で過ぎゆく問いに堪えがたいなら
この栗の実よりも
衣を重ねるしかないよ
戻る
編
削
Point
(2)