本と神田とジジイ/ドクダミ五十号
 
れない
御馳走です。そとまごですが初孫である私は祖父、祖母、叔父、叔母等にそれはもう
めんこい、めんこいと。祝宴は一日で終わりません。そういうものです。
寒かろうと布団で圧殺されそうに寝かしつけられたわたくしは、北国の冷気が頬をイタズラ
するので目がさめました。今の布団と違いまして、やたらと重いのですよ。
這い出るのも大変でした。母屋を抜け出て、散策。旧母屋に。藁葺。ほとんどが土間。
太い柱と梁。全く前時代のそこは幼いわたくしにも訴えかけるだけの逞しさでありました。
あちらこちらと見て回ると、多くの叺を発見するのです。竈の上の梁とか、家の外周を
一回りする板の間とか。中身は全て木の
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