vomit comet/itaintme83
俺は疑問符でできた巨大な広告塔
人波の中を今日も行く
俺はカメラ ポンコツのカメラ
そのフィルムは現像されることなく腐食していく
俺は葉書 宛名のない葉書
どこに投函されるでもなくさまよっている
俺は辞書 全てが抜け落ちた辞書
そこでは「不可能」という言葉すら忘れ去られている
市営バスが俺を否定するように目の前を走り抜ける
俺の歩みはほとんど止まりかけている
「もうお終いなのかい?」
そう呟きながら暗い朝の通りを俺は歩いていく
俺は通信販売で悪魔に魂を振り込んだ男
だからみんなにこう言うのさ、「あんた方もどうだい?」
代わりに手に入れたのはかりそめの安息と腑抜け
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