壁/川上凌
 
、すぐに彼女の目的のバス停に着いたらしく、降りていった。

制服の上に纏った茶色のダウンはやけに大きく、細い棒のような足が寒そうだった。
その足元は、ゆらゆらと心許なくて心配になる。

わたしは「障害者」というくくりが嫌いだ。
彼らのどこに、“壁”があるのだというのか。
そりゃ親からしてみれば、普通の子より大変だろう。
だけど彼らの心はどうだろう。まったくもって自由なのではないだろうか。

わたしは彼らの親でも、恋人でもないし、
知り合いというわけでも、友人というわけでもない。
別に「注意してあげなきゃ!!」という強い強迫観念に駆られた
学級委員長タイプでもない。


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