凍える街と雲と指先/元親 ミッド
 
朝。

寒い。

ひたすらに寒い。



朝焼けの街がくっきりはっきり

オレンジ色をおび

生活のささやきがあちらこちらに

聞き取れる頃。



肌に刺さる空気。

街はまるごと冷凍でもされていたかのように

凍てつき固まっていた。



結局

夕べは何らかの夢を見たのだけれど

それがどんな夢なのか思い出せない。



そんなもんだよねぇ。

僕らの日常なんてさ。

すぐに忘れて消えちゃうんだよ。

雲が紫色をしていた。

それは

寒さに凍える唇を思わせた。



あたたかい飲物を

飲みたいなぁ。

できれば味噌汁なんかいい。

そんな事を思った。

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