白い猫の話/
MOJO
で、彼等の命運は尽きたのだ。それを私が余計な手出しをして、いたずらにあの白猫の寿命を伸ばし、かえって酷い死に様に遭わせてしまったのではないか。あのまま放置しておけば、近所の誰かが保健所に通報し、安楽死という形で決着がついたのではなかったか。
繁殖期になると、今でも窓の外で猫同士が争う物音がする。それを聞く度、あの、私の掌を甘噛みし、片眼で後肢を引きずりながら、塀の上を歩いていた白い猫のことが脳裏に浮かぶのである。
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