パス/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 

 先にどちらが言うともなく、晴田と奥山は学校が終わると晴田の家に行き、カバンを置いてボールを持つといつもの公園に来た。
 サッカーの練習をするためだった。 
 
 
 晴田と奥山は小学一、二年生の時同級生だった。そのつながりで、中学に入ってもクラスは違えど、友達として付き合っていた。
 奥山は小学校の頃から騒がしくクラス内でたびたび問題を起こすような出来の悪い子供として学校中で知られていて、晴田はその反対に人見知りでおとなしく目立たない子供だったが、気がつくとなぜか付き合うようになっていた。
 晴田は性格のためかあまり友達と呼べるような者はいなく、二、三人ほどとしか交流はなかった。
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