眠りにつくまで。/元親 ミッド
いつものように眠りにつくまで
やさしい物語を、ねぇ、聞かせてよ。
たたかいの、一日の終わりに
今日を頑張って、乗り切れたご褒美に
やさしいぬくもりで、ねぇ、包んでよ。
そのキスが、悪魔のキスだとしてもかまわない。
腐り落ちる林檎のように
その唇が紡いだ嘘も
今なら真実だと思えるでしょう？
赦しを乞おうだなんて思ってないよね？
どうせならば暗闇の中の飛べない鳥のように
最後の最後まで騙しきってほしいから
いつものように眠りにつくまで
やさしい物語を、ねぇ、聞かせてよ。
怖い物語じゃなくて
悲しい物語じゃなくて
楽しい物語じゃなくてもいいから
ただ、やさしい物語を
ねぇ、聞かせてよ。
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