遺書にはならない足跡 2/セグメント
て新しく付けた水色のカーテンも半年は使っているはずなのに、何故、あのカーテンは青いのだろうかと考えてしまう。
引っ越し業者に、家具の配置を頼んだのは自分である。それは覚えている、つまり実際にあったこととして認識しているのに、家具の配置に違和感を覚えてしまう。どうしてチェストや箪笥がそこにあるのか、CDが多くあるのか、分からない。いや、本当には分かっているのだ。自分の持ち物なのだから。以前の家にいる頃から使っているものも多くあるし、それでなくとも半年は見ているはずの物達だ。違和感など覚えるはずもない。だが、覚えてしまっていた。
何より、その部屋にいる自分自身にも違和感を覚えてしまっている。こ
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