遺書にはならない足跡 2/セグメント
 
責について、私が謝ることの理由が見出せないからだ。しかし、私の体という点で「私」という存在を見るならば、確かにあれら一連の発言は間違いなく私がおこなったものだ。そして、それがあるからこそ、恋人は不可思議なものを見る目で私を見、どこか警戒した態度をしているに他ならない。
 私は、決して誠心誠意という風ではなかったと自分でも思うが、謝った。しかしながら、自分の身に何が起きたのかも良く分かっていない状態であった為、その確認と認識にも頭を使っていた。私はひどく疲れていた。また、私が私ではなかったと感じる時間は、まるでワープしたかのようになっており、不思議な感覚に陥っていた。
 その夜、「彼女」が再び現
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